歳の差

何度か書いているのですが、日本の、そうだな、私の知る日本(古いのです)の感覚を持っているとシリコンバレーなどではちょっと大変かなと。中国、韓国、台湾などアジア圏、出張で良くいきました、ではあまり困らないかもしれないですがね。

さて、何を?

それは 歳の差と性別です。 私の今の環境では

私の上司は15歳は歳下。PHD+MBAと学歴はぴか一で且つ経験も十分。実力はとてもあります。いわゆる経験豊富な天才と言ったところでしょう。

チームは10人ですが私が一番の年上。一番若い同僚は私がUSAにやってきたあと生まれたくらいに歳が離れています。私から見ると娘と一緒に同僚として働いている、といった感覚。

同僚というのは対等なのです。そこに上下関係はありません。もちろん年齢差からくる対人関係はありますし、昨今のテック業界のダインサイジングなどではこちらはこれまでに何度も経験をしているのでそういった面からアドバイス、カウンセリングなどもするしできるのですが事、仕事という観点では対等です。

娘のよう、と書きましたが私はこれまで上司に歳下の女性マネージャをなんども持ったこともあります。 あちらはマネージャ、こちらはスタッフ。この場合立場はマネージャ、スタッフの関係でそこにはある種の上下関係がありそれを尊重するのはもちろんです。

以前書いたのですが

体育会系な感覚を持っていると

ちょっと難しいこともあります。

年齢差や性別は仕事に持ち込まない。

これは面接でも、とても重要です。面接する側に立つ場合、この辺りをきちっとトレーニングさせる会社は良い会社です。私が今働く会社はきちっとトレーニングがありました。私のように既に何十年も働いていてもそのトレーニングを受けないと面接を担当することが出来ない仕組みになっています。こんな会社が良い会社なのです。

面接

以前何度か書きましたが、今テックセクターはアジャストメントの時期。レイオフも進んでいるしビジネス面の変化も進んでいます。

テクノロジーは進歩が速く、速くなっていますからついていくのがやっとだったりする。。。でも、実はエンジニアリングはついていくのがそれほど難しいわけではない。基礎が出来ていれば。基礎とは

まず、数学力。高校生でも優秀な”プログラマ”はいるんですが、programmer= ソフトウエアエンジニアでは無いと何度か書いてきていますが、違いを作り出す一つの要素はこの数学力 です。

数学力を基礎として、あとはそ各々のプロフェッションに関わる基礎知識と豊富な経験。もしくは豊富な知識と少し,もしくはほとんどない経験。でも今は学生時代にインターンシップをすることが多いですから、経験なしというのは少ないのです。

で、面接。 日本人だと、必ず聞かれるのが英語力。英語力が無いから自分はダメだ。。。というんですが、 英語力、問題になりません。英語力で設計するというなら別(こんな職域もありますよ、もちろん)ですよ、もちろん。でも普通は英語力は、そうですね、読み書きができれば基本何とかなります。学生時代を通じて読み書きはできるんです。できないというのは思い込みだけ。会話だってできます。できないと思い込んでいるだけ。それで高い費用を払って英語学校行くんですが、 はっきり言います。 無駄なことしている。金と時間を無駄遣いしている、その典型は英会話学校です。

はるか昔、そう江戸時代の終わるころ、ジョン 万次郎という人がいたのは学校の授業などで出て来たでしょうか? でも、明治政府ができて数年もしたら全く用無しとなった。なぜか? 学問が無かったからです。アメリカで高校は出たようですがその程度。明治の秀才はあっという間に英語を学び、その上学力がありましたから専門知識を身に着けた。 英語だけの万次郎には使い道が無かったのですね。 

同じこと、 ペラペラと程度の低い英語を話す人材より、高度な知識と経験を持つ人材。どちらが良いですか? ペラペラはほとんど必要とされません、特に今や経済力などで圧倒的に落ちてしまった日本人には日本語はあまり武器にもなりません。もちろんそんな職業もありますよ、英語と日本語が必要と言った。

面接では、とんちのような問題、質問が出るようにもきいたりしますね。これもあまり普通ではありません。 とんち、つまりいわゆる頭の体操は読み物やパーティーでの余興などでは面白いですが、こんなことでその人物を測ることは難しい。

では すらすらとコーディングが出来たらいいのか? 

そうとも限らない。 今やツールも充実しています。 面接ではエンジニアリングの本質を突くようなそんなことを聞かれることが多いのです。それは実に 

教科書にも載って言います。

最後に

面接は 運。

いや、仕事探しの多くは

運。

運の占める要素はとびきり大きいのです。

運を引き付けるには

良い レファレンスを 持つことと 人脈ネットワークを大事にすること。

でも、 一番は インド系、中国系のように ネットワークを作ることですね。

日本人は もっとネットワークを世界中に作りたいものです。

と、じゃあ、私は何かやっているのか? このBLOG以外に? やってますが中々大きくならない。 

結婚

2年ほど前、The EconomistというUKの雑誌にも出ていましたが日本の若い世代の結婚率、いやデート率がとても下がっているとか。。。

結婚は、経験者(今も既婚ですが)だから言いますが何しろ時間とお金がかかります。子供がいれば猶更(我が家は二人います)。でも子供がいなくてもお金はかかるし、老後(引退後)の蓄えも一人より二人だと2倍以上はかかるのです。二人だと2倍以下かというと、経験則では2倍以上になりますよ。人間、よほど似たようなカップルでもない限りね。我が家は月と太陽ほどにも隔たりがあるので2倍では到底済んでいません。。。

で、結婚、 シリコンバレーの私の周りを見ると、若い世代の既婚率はとても高い。もっともシリコンバレーに限ったことではなく、テキサスやミシガンにいる同僚もみな結婚しています。彼、彼女ら、20代後半から30代前半でしょう、私から見るともう子供世代です。

エンジニア同志のカップルはとても多いです。女性エンジニアの率が多いからですが、社内恋愛も多い。上司、部下の関係などになる場合は会社に付き合っている旨を告げる必要はありますが、同僚などであればそんな必要もあまりなく。。。 カフェテリアなどでカップルをよく見かけますし、通勤を一緒にするようなカップルも多い。 既婚か、今現在付き合っているかはちょっとわかりませんが。 奥さんがGoogleにいるという友人(友人はApple)など、こうした場合夫婦合わせた収入は60万ドルから1ミリオン$程度にまでなりうる。

カップルの多くは同エスニック。中国系は中国系同志、インド系はインド系など。今では韓国系もとても増えていますよ。

日本人はとても数が少ないので”どうし”カップルになることはあまり無いんですよ。 残念ですね。

でも、 日本人女性エンジニアは  とにかくモテます。 これは家内も言っている。家内の友人の多くはエンジニアと結婚していますが、離婚したと思ったらすぐ新しい男性と付き合い始めたとか。 離婚したと分かったとたんどんどんデートの誘いを受けるようになったんだそうです。それくらい

モテます。 

いわゆるアメリカ人の場合、エンジニアとエンジニアではないハイテク企業の社員(例えばマーケティング、人事、法務など)のケースもとても多いのです。 いわゆる”外国人”の場合、最初はビザなので、エンジニアリングの割合が多く、カップル同志がエンジニアリングになりがちですが、最近は生まれがUSAであるアメリカ人のエスニック(中国系など)も増えていますね。そうした場合でも意外と同エスニックと付き合っている、カップルであるケースは多いのです。 

とにかく 日本人は少ない。 でも少なくとも女性エンジニアであれば、機会はとても多い。周りがほっておかない。 のです。

休日と有休

USAは休暇のシーズン到来。 まずはThanksgiving 4連休とする会社が多い。そしてXmas。Xmasは毎年曜日が変わるのでその時々でどんな連休になるかが違ってくる。 そしてNew Year。まあ、一日程度ですけれど。この一連の休みが終わると今度は2月のPresidents Dayまでいわゆる休日は無いのが普通。

いわゆる国民の祝日、だからと言って会社が休みになるわけではないのです。日本は基本的に休みですね。もちろん、商店、交通機関(私鉄)など営業しているんですが、銀行、普通の会社(まあ、例えばSONYなど?)、休みですね。

USAは違います。学校、役所などは閉まる(休み)になることが多いですが、私企業は国民の祝日だからといって休みではない。 会社毎に休み方が違う。もっともXmasなどのように基本休みである、という祝日もありますが、Veterans Dayだからと言って休むわけではない。私が以前いたBoston近郊の会社など、あのあたりはいわゆるIrish Americanも多いという地域柄でしょうか? St. Patrics’ Dayは休みでした。でもCalifroniaに移ってきて一度もその日がやすみだという会社で働いたことはありません。 その企業、Veterans Dayは休みでは無かった。何も知らなかった私は当然のごとく休んだのですが次の日会社で、”昨日は身体の具合でも悪かったのか?”と聞かれた(いや、Veterans Dayだから休んだと言ったら驚かれた)。

休みを与えるということはその日は労働なしで会社は給与を与えるわけです。そんな大事なことを”国家(役人、議員)”が勝手にきめるんじゃあねえ、と言うわけですね。 祝日は増えても減ることはないのが通常。どんどんそんな休日を作ってくれるな、というところでしょうヵ?

が、有休はあります。 有休をVacation Dayと言う人もいますが(日本人に多いかな?)、PTO (Paid Time Off)の方がより一般的です。別にバケーションに行かなくても有休はとりますからね。 有休の無いポジション、雇用ももちろんありますよ。 ここでは一般的にあるとしておく。

PTOを取らせるのは実はマネージャの仕事です。 シリコンバレーのハイテク企業での事しか知らないですがこれまで働いたハイテク企業(ベンチャー除く)4社、どこでもPTOの上限が近づくと上司から休みを取るように言われたものです。通常PTO(Hour)は2週間か4週間ごとに増えて行きます、使っていなければ。会社は上限を切っていて(PTOは会社にとって負債として計上するので上限を切ることが普通です)有る時間(日数)以上貯めることができなくなります。それ以上になると消費するまで増えなくなるんですね。 部下をそのような状態に置くことは上司の評価を下げる結果となります。

PTOを取るのに上司の許可は不要です。もちろんプロジェクトが佳境にあるような場合もあります。でも例えば海外旅行に出かけるために半年も前から準備していたとしましょう。 プロジェクトが佳境だからといってその計画を止めるということは普通ありません。 サブの人を見つけて何とかさせる、それもマネージャにとって必要な技量でもあります。 仮にどうしても難しいような場合、従業員とネゴをすることもありますが、会社として補償をすることは当然のこととなります。 有休とはそんなものなのです。

会社に迷惑がかかるから止めたということはありません。またそれが評価の対象(つまり有休なんかとりやがってということ)にもなりません。仮にそれが理由で評価を下げられたとなったら、最悪裁判にまで発展するでしょう。会社に勝ち目はありません。

私は今PTOの上限ギリギリにいるので2週間に一度金曜を休みにしています。12月に3週間の休みを取るのでそれまでのことなのですがその後再びどんどん有休が増えていくと再び金曜日を休みにとするルーチンがやってきます。

PTOは取る。 

レイオフ 仕事探し

アマゾンもシスコシステムズもと、どんどんレイオフの発表が続いています。ドットコムバブルの時はベンチャー企業の整理、淘汰があり、リーマンショックの時は業種、業界によらずレイオフが席巻しましたが、今回のレイオフはそれらに続くのか、まだわからないですね。

いずれにせよ、仕事を失ったら、まだ引退できる(引退とは、仕事をせずともずっと現状の生活レベルで生活できる状態を言い、実際に仕事をしなくなるかどうかは問いません)と言うのでなければ何等かの仕事は必要。レイオフを機会に全く違うことを始めた同僚もいます(例えば生命保険のエージェントになったようなのもいます)が、普通は同じような業界で同じようなことをと考えるでしょう?特にいわゆる経験が進んでくると。20年も同じような業界に居ては中々出れるものでは実際の話無いものです。

以前も書きましたが 仕事探しで必要なことは

履歴書、 レファレンス(元上司が一番いいけど元同僚など)、ネットワーク(仕事は紹介が一番手っ取り早いのです)、そして 運。

運も必要ですが、これは中々自分では如何こうできません。が、

履歴書。 何度が書いてますが

履歴書は 仕事探しをするときに書く、アップデートするというのではだめ。

履歴書は 毎年アップデートする。アップデートすることで自分の履歴を振り返る。履歴をみてその時代(テクノロジーの時代は5年もすれば変わりうる)に沿っているか、など色々と検討し、対策を立てる。仕事がマンネリ化していませんか? この履歴書は詳しく書いておく。何をしたか、何を学んだか、身に着けたか、どんな困難、チャレンジに遭遇したか など。

採用募集を見つけたら、そのポジションに応募しようと考えたなら、その詳細な履歴書とポジションで求められている項目を照らし合わせて 応募に必要な履歴書を作成する。

同じ履歴書をいくつかのポジションで使うというのは ないわけです。それらが”同等”出ない限り。 履歴書はその時々で作成するものなのです。

今や履歴書を最初に見るのはAIソフトです。AIにはじき出されてしまったらその後はありません。 キーワードは何か、など探り出しそれらをちりばめる。それくらいは必要なのです。 マスター履歴書と採用募集の詳細を照らし合わせる。紹介が元なら紹介者からキーワードを聞き出すことも必要です。紹介者は教えてくれます。なぜなら紹介して入社したらリワードを出す企業は今でも多いのです。

仕事を探す一番の方法は 紹介。 だからそんなネットワークを持つ。残念ながら日本人は ネットワークをあまり作りません。なんでかな?と思うのですが もう33年も前ですが日本人は助け合わないんだと肝に銘じるような出来事にも出会っていますが今でもあまり変わりはないでしょう。 インド系、中国系、韓国系などとは比較になりません。 まあ、そんなこともありこんなブログを書いているんですがね。 ネットワークが弱いことが日本人エンジニアの海外での活躍を小さくしている一つの要因でもあるのかなと思います。

企業村根性がとても大きかったですが、今でもまだ随分と大きい

これが理由かな。 企業村です。 XXX社の社員と言うのがまず先にでるんですね。 YYYYです、ということより。

レイオフの対象

シリコンバレーはレイオフのシーズン。

なんでこんな年末が近づいている頃に? USAはこれからホリデーシーズン。こんな時にしなくても。。。 と思うかもしれないですね。

さて、 レイオフの対象。もちろん、ビジネス面での決定、つまりある部門を縮小、解散するといったことで対象となることが多いわけですがレイオフが全社的に実施されるような場合そうした部門以外でもレイオフ(解雇)は実施されます。 そのような場合、対象者は?

まず、差別的になるような実施はしません。特に年齢。日本ではまずターゲットにされるのは年配者ですね。 年齢を元にしているようなバイアスが見られたらきっと裁判沙汰に発展するでしょう、だから年齢をターゲットとしたような、いやあるグループ(年齢も含め)を狙い撃ちにしたような解雇はしないはずです。

勤務評価も低い従業員が先か? これも必ずしもそうとは限らないのです。もちろん何年もずっと低いような場合対象になるかもしれませんが何年も評価が低い人材はレイオフに至る前にすでに解雇されているのが普通です。レイオフとは通常そうした個々の解雇を言うのではないのです。 直近1,2年の勤務評価が他者と比較して低い、というのが一番の理由でレイオフ対象となるわけではない、ということです。 

従業員が先か、マネージャが先か? レイオフで部下が全部生き残り(解雇されない)マネージャが解雇される、というのも極々普通です。下位のマネージャだけでなくバイスプレジデントレベルでもそれは起こりえます。マネージメントを切るということは、その後何らかの組織変更があるのが普通です。 マネージャは外から、というのも普通。内部昇進というのは特に上位に行けば行くほど少なくなります。 外部から適任者を。その適任者がやりやすいようにマネージャをレイオフに合わせて整理しておくというのは普通です。 スタッフよりマネージャは、実は切りやすい。スタッフは仕事を持っていますが、マネージャは 持っていない(マネージャがいなくてもプロジェクトは実は進むのです)。

レイオフはいつだっていやなものです。 でもいつでもありうる。

それに備え、 履歴書をアップデートしておく(つまり自分の経験値などを上げておく。同じことをずっとしていると履歴書にかけることはすくないですよ。 以前履歴書ということで書きました)。 またレファレンスを持っておく(特に元上司)。それと お金の準備。1,2年大丈夫な程度の蓄えは必要です。これはいわゆる引退後の蓄えとは別に。そして日常生活に必要なお金とも別に。焦らないで良い そんな環境はいつでも大切です。

博士

博士まで進んだ人材の就職状況が良くないという記事を見ました。

なぜ?

まず、博士 = 研究者 ということであればそうなのかもしれないですが(大学のポジションは限られる)

博士課程にまで進むのは別に研究するためがすべてではないでしょう?

以前も書きましたが事エンジニアリングに限るなら、大学部卒というのはもうあまり使い物にはなりません。少なくとも修士、そして博士までの学業を積んでおいてほしい。 日本では入社後、会社が育てる?という感覚が今でも双方(会社側、従業員側)にあるのでしょうか? そんな余裕(金銭、時間)は今や無いと思っておいていい。5年もかけて従業員を教育? まさか?そんなことをしていては現在のスピードに乗り遅れます。 学部程度のカリキュラムは今や入門に毛が生えた程度。 修士でもおぼつかない。

事実私がこの20年ほど数社で働いた仲間たちを見ても30~50%は博士です。今の会社(名前の良く知られた会社です)の私のチーム10人の小さなチームですがPh.Dは5人。あとの5人(私もいれて)修士。学卒はいません。

エントリーレベルでもできれば修士までの学業を終えておいてほしいわけです。

博士でも私と同様に開発エンジニアです。もちろん研究部門もあるのでそちらの部門だと遥かにPh.D密度は高い。

女性のPh.Dも沢山います。

Ph.D、博士まで進んで立派に学業を終えたならその知識を存分に使えるそんな環境に移っていってほしい。

そんな環境が日本にないなら 出る

出るくらいの勇気は欲しいですね。

以前も書きましたが 経験だけがすべてではありません。 日本は経験に重きをおき、いわゆる先輩、後輩の関係を作りたがりますが

新しい知識を身に着けた若い世代と経験者が一緒になり(対等に)設計、開発を進めていく

そんな環境なのです。 不利なことは有りません。

レイオフ

シリコンバレー、いやテクノロジーセクターは今いわゆるアジャストメントの時期に入っています。

私の元上司がVPを務める AI関連のベンチャー企業が今日CLOSEしました。彼は今新たな仕事探しを始めたところです。

シリコンバレー、人員整理が始まっています。 拡張とアジャストメントを繰り返すのがUSでの会社の在り方。以前も書いたのですが契約書には会社は理由のあるなしに関わらずいつでもポジションをターミネイトできるとあります。従業員も理由のあるなしに関係なくいつでも会社を去ることが出来ます。もちろん双方お互い話し合いをすることはできますが、こと会社に関してはそれが明らかな法律違反(基本的に差別的な解雇)でなければ解雇は簡単です。日本は法律で従業員が守られていて解雇が難しいと聞いたことがありますが、これは実は双方にとってメリットはあまりないように思います。

ベンチャー企業のレイオフは実はかなり厳しいものがあります。いわゆるサーベイランスペイやその他のベネフィットは多くの場合最小限(2週間から4週間分程度だったりする)になります。 ベンチャー企業で重要なのは

テクノロジー

エンジニア

そして、 現金。 レイオフするのはその現金が不足、いや出費を抑えるためですから解雇にあたりサーベイランスペイを多くすることは難しいのです。 私は以前ベンチャー企業に居ましたがその折30%カット(つまり3人に一人は解雇)という経験もしています。エンジニアが一番必要で、しかし一番コストが掛かるのです。 解雇されなかった従業員は一律20%の給与カットでした。 給与カットはレイオフと並行してされることもあります。 あの折はいわゆるドットコムバブルがはじけた時でシリコンバレー全体でアジャストメントやベンチャーの倒産が相次いだ時期でしたので次を探すのも大変な時でしたね。 

レイオフがあるからリスクが大きいとみるのか、 なんだか知らないけど法律で守られているから雇用されているけれど仕事はない、給与は上がらない、というもやもやしたところに居続けるのか?  リスクはあるかもしれないが遥かに成長の速度が速く機会が大きいところでやってみるのか?

その選択の時が来ているように思います。ことエンジニアリングに関しては

これまでも、そしてこれからも 成長の速度は速まっていくと思います。

日本は今、他力本願になりつつある。その一番の例は半導体。TSMCに来てもらう(つまり日本に何らかの施設を建設するという)、その為に国家が予算を計上するという、 そんな状況に留まるのか、

若い世代は、いつも書いてますが エンジニアリングにはライセンスは不要。 コンピュータ言語、 電子回路はどの世界でも共通。 つまり

どこでも働ける、 どこにでも機会がある

世界中に機会がある。 

エンジニアの収入

以前にも書いたのですが、この数か月US株式市場は低調ですね。この低調なことは私の収入に関係してきます。

私は現役の設計エンジニア(タイトルはどうであれ人事権を行使できる立場にないという意味で)です。部下を持つ必要はないと書いたことがあります。部下を持たなくても昇進、昇給、昇格していくわけです。それに伴い各社色々なタイトルを用意するわけですが、例えば良く知られたところでは

Senior Engineer, Principal Engineer, Distinguished Engineer, Fellow…

Distinguished Engineer 以上のタイトルになれば通常一角以上の実力者、経験者ということになるでしょうか。 ベンチャー企業ではこうしたタイトルを持たず皆MTS、 Member of Technical Staff としているところもあります。私が今いる会社はこんなタイトルを持たず公式にはエンジニアはレベルで(1から8,9程度まであり大きくなるほどペイが大きい)、名刺上のタイトルは仕事の役割でつけてますよ。私は Lead DSP hardware architect と今はなってます。 仕事が変われば変更すると思います。

さて収入ですが以前も書きましたが

年棒にあたる現金収入 + ボーナスにあたる現金収入 + RSU (株式)で構成されます。 その他雑収入も有るんですがこれらと比較すると微々たるものです(でも今の円安状況下では雑収入でも日本円換算で100万円程度になりますよ)。

RSUの占める割合が大きいです。JOBレベルが上がれば上がるほどその比率、額も大きくなります。私のレベル程度で50%位です。VPクラスになると80~90%はRSUだと聞いたことがあります。

RSUは通常毎年一度の昇給、昇格評価の際にここのパフォーマンスと会社の業績により与えられます。通常4年程度の分割になりますので例えばある年4000シェア(株式)をGrantされたとするなら4年かけてVest(実際に自分のものとなる)されます。年1000株ですね。毎年順調にRSUをGrantされるとするなら4年目以降は4000株が毎年自分のものとなるわけです。 1年を4期に分けるのが通常のやり方なので3か月ことに1000株ですね。これを売れば現金になります。 税金対策に一年以上所有して売るか、株式がピークだからする売るか? もっとも4000株入ると言っても無条件に税金として大体30%は強制的に売らされて税の支払いをしてしまいます。その後自己の責任で株式を売ればその時点でも利益に基づく税を払うのですが。まあ、でもとりあえずこれは大きな収入なのです。 一株100㌦として税引き後2500株だとすると、25万ドルです。収入は税引き前で言いますから40万ドルですね。これと現金収入を入れてそうですね、70万ドル程度にはなりうる。もっともエンジニアでも1ミリオン越えはありますよ。そんなことがありうるのがシリコンバレー(この地だけではないんですがね、シアトルでもオースチンでもありうる話ですから)。

今は株式が下がっているので売るのを見合わせますね、もしいずれ上がるだろうと予想できれば。その責任は自分にあるのでよく考える必要があります。

さて、下がっているのは悪いことか? RSUのタイミングにもよりますね。人事考課のレビューの頃低い値段だとするなら通常多くのRSUがもらえます。それがその後の4年で大きくなることだってあるわけです。

はるか以前、Appleが倒産寸前の頃、JOBオファーを受けたことがあります。倒産寸前という噂もあったので移らなかったのですがあの時のオファーを受けて今もその株式を仮に持っていたとするなら今大体50ミリオンドルの価値になってます。まあ、過去を言っても仕方ないんですが。

シリコンバレーは、本当の意味でのパワーカップルも多いです。日本では夫婦で1500万円も収入があればパワーカップルだそうですがシリコンバレーでは1ミリオンドルは無いとパワーカップルとは言わないでしょう。1500万は私一人の収入の半分にもなりません。RSUの効果はそれくらい大きいのです。

エンジニアはRSUを多く手に入れることができる職種です。

私はいつもエンジニアを募集しています。 エンジニアに国境もライセンスも不要。 知識、経験そして想像力。 それと少しの勇気だけ。

何度も書いてますがシリコンバレー90%はごく普通のエンジニアの集まりです。 超エリートなんて5%にもなりません。 日本人はとても誤解しているし、誤解が元でちょっとシリコンバレーで働いた程度の人物を持ち上げすぎることが多いように思います。彼ら、彼女ら、大抵ごく普通の実力しかない、と思っていて間違いはありません。 つまりごく普通の経験、知識でも十分仕事はできます。仕事はあります。

女性エンジニア

前にも書いたことがありますかね?

最近日本の国立大学、奈良女子大にエンジニアリングの学部ができたようですね。とても喜ばしい。

私は若いエンジニアが周りにとても多い環境にいますが、いわゆる先輩、後輩といった関係ではなく、同じひとを上司に持つ同僚です。もちろん経験では私が圧倒的にあるんですが、エンジニアリングは知識、経験、そして発想、想像、そして、チームワークの融合したものですから、若いエンジニア、大学で新しい知識を沢山勉強、経験してきていますから彼、彼女らから学ぶこともとても多いのです。私の知らないような知識(例えばAIの最先端など)を学んで加わったエンジニア、設計をします。とても良い設計なのです。そこに私のようなエンジニアが経験からくる付加を付ける。例えば、設計がまだまだ大学の研究品のようなことがあります。例えば例外処理が出来ていないとか、設計の前提が狭すぎるとか、色々とあります。結局エンジニアリングはチームワークも大きな要素。以前も書いたのですが今現在チームワークを発揮するならオンサイトがやはり有効です。 若いエンジニア二人と私の3人で毎週木曜にミーティングルームで時間を使いますが、彼ら曰、このミーティングが一番為になる、時間を有効に使えているという。こんごリモートでもこのような環境ができる時代がくるのでしょうが、人間、やはり交わることが大切です。 完全リモート、私はそんな会社は成功しないと思います。

さて、女性エンジニア。今私の関わっているプロジェクトで私は二人の、私からみると娘世代になるような若いエンジニアと組んでいますがとても優秀。数学力がとてもあります。 エンジニアリングの基礎は数学。数学力を付けることが大切だと何度が書いていますが大学では随分と数学を勉強してきたようです。

USA、というか、私の周りだけかもしれませんが、こうした若い女性エンジニアは若いうちに沢山経験をさせてもらえます。いわゆるEEO政策、つまり機会均等の政策ですが、これは女性エンジニアにはとても良い恩恵になるのです。

というわけで、いつものことですが、私はいつでもエンジニアを募集しています。エンジニアの仕事場は世界中。なにしろライセンス、資格を要しません。 エンジニアを律する法律事項(就業の)はとても少ない。まあ、ビザということがありますが、今やリモートワークも可能。もちろん定期的に交流することは重要ですが、2,3が月であればビザも原則必要ないわけですがらそうした形でのリモートワークもあるでしょう。

世界中が仕事場になるエンジニアリングにぜひ女性の大いなる参加を待ちたいです。