潮流に乗る、と書いておいてニッチかい?となるかもしれないですが、ニッチな会社、仕事、製品というのはいつの時代もあります。例えばシリコンの時代ですがシリコン以前にはゲルマニウムを使った半導体製品もあったのです。代表製品はダイオードだそうですが、今でも作られています。作っている会社も必要とする製品(会社)もとても限られますがビジネスとしては未だにある。また半導体製品の設計にはツール(EDAツールと言われる)が不可欠ですがEDAツールは2社の寡頭状態(2社ともUSの会社)、それにヨーロッパの企業が買収したUSの第3社目を入れると市場の90%以上はその3社で占有されるそうです。私はそんな一社で長く勤めましたがニッチな会社のニッチな製品です。爆発的に需要が増えるようなことはないですが半導体設計には不可欠ですから今後ともある程度安定したビジネスがあります。業界人も知られていて、その3社を渡り歩く(エンジニア、セールス含め)というわけでとても狭い、いや密な関係でお互いある程度知り尽くしているんです。
安定したニッチな会社、仕事、製品は私の経験では息が長いのですが、それでもこと、エンジニアリングに関しては常にリフレッシュを必要とします。例えばEDAの世界、今やAIを抜きには語れません。アルゴリズムの進歩にAIが不可欠となっているのです。エンジニアがAIを吸収せず、それまでのやり方を続けていたらいずれ競争力は低下します。 ニッチな領域にも変化は訪れており、ニッチな領域でリーダーのポジションを維持したければ新しいことをどんどん取り入れていく。投資を続ける。それまで十分に活躍してくれた人材でもその新しい領域に入っていけなければ、やはり入れ替えは行われるのです。会社はそれまで十分な対価を払っていることがもちろん重要です。シリコンバレーの唯一、優れているところは、私はその対価にあるとおもいます。イノベーションだ、ベンチャーだと言いますが、対価を提供できなければイノベーションは起こらない。 対価は従業員、投資家双方ともに大きなモチベーションになるのです。
ベンチャーに長くいましたが資金が日本の小企業並みにしかない(せいぜい10億円程度)な頃から対価は十分とか言えませんでしたが今日本で言われている平均給与と比較にはならないくらい多いものでした。友人の紹介による会社で知り合いも多くいましたがやはり対価と言うのは重要なのです。
ベンチャーでも対価は支払います。そんな地域です。シリコンバレーは。