経験か?知識か?

経験の少ない、だが賢い、要領の良い人(今盛んにYOUTUBEなどでもご活躍中です)、沢山いますね。 知識は豊富なのです。人から聞いたりもしますから。 でも、自分でやったのではない。やっても、大学のコースワーク、プロジェクト程度だったりする。大学院まで行くとプロジェクトも大きくなりますからなんかやった気持ちにはなります、が、あくまでも閉じられた環境です。インターンといくつもプロジェクトをしてきましたが彼、彼女らの成果物を実際の製品、サービスに使うとなるとそこからが本当のエンジニアリングになることも多いです。エンジニアリングというのは大学やホビー程度のものでは決してないからです。実際にやってみなくてはこの辺りのことは教科書などに書いてないし人から聞いても理解は出来ても実際どんなものかはわからないことが多い。だから頭の良い人はそんなことは話しません。話せないというのが正しいですがそんな人物を採用したら結局後で後悔することはとても多い。評論家としてすぐれていても実際に実務に就かせたらとんでもなかったという人物実はとても多いですから賢い人はそんな立場にならないように気を付けたりしますね。言うだけはただですし、そのただでお金儲けできる方が良いですから。

という意味で経験もとても重要です。 でも経験の賞味期限がとても短くなっています。以前だと20年も使えたような経験の賞味期限は今では10年。もう5年もすると5年程度になるかもしれません。 経験にも賞味期限の長いものと短いものがあります。これからの時代賞味期限の長い経験を豊富に持つことも重要かもしれませんが、短い賞味期限の経験をリフレッシュしていくことがより重要かもしれません。例えばAI時代のソフトウエアエンジニア。AIに単純なプログラマ(コーダー)の経験では太刀打ちできなくなる時代がやってきますがではこれまでの自分のソフトウエアエンジニア(単なるコーダーなのかもしれないですが)の経験をどうリフレッシュさせていくか?別にエンジニアリングに限りません。プロジェクトマネージメントでも同様に言える。

採用に当たってはどちらに重きを置いているかも重要です。私は経験だけを買われて採用されましたが若手の同僚はそのありあまる知識で採用された(実際異常なまでに優秀なソフトウエアエンジニアです)。補完しあっているというわけではなく、マネージャの視点で、XXXXというポジションではこれまでの経験がよりチームに益になると判断するか、YYYYというポジションは最新の知識が重要だと判断する。 採用にあたりこういった点は絞り込みをすることが多いものです。 複数の候補がありまあ、誰を採用しても問題はない、と言うような状況下ではどちらにより視点を置くか、もあります。 実際採用されて入社後、聞いたことがありますが、もっと知識の豊富な候補者もいたようですが、彼は私のポジションでは経験を重視したとのことでした。賞味期限の長い経験を持っていて良かったと思った次第です。

経験を積むにあたり、以前書きましたがシリコンバレーでは最初の10年はある程度転職(転社)をすると良い。 いわゆる業務移動という概念はあまりないので社内で色々と移れるような会社もありますがそうでない会社の方が多い。若いうちは失敗もできるので(取りかえし易いですから)。今いわゆるテック企業でレイオフが話題となっていますが若い世代、いわゆるテック企業が至れり尽くせりだった時期が長く一つの経験に長くとどまってしまったという人も多いのです。 それは多少弱さにもつながります。実際若い世代にレイオフの噂だけでパニックに陥る割合が多いのもそんなところにも理由はありそうです。