以前にも書いたのですが、この数か月US株式市場は低調ですね。この低調なことは私の収入に関係してきます。
私は現役の設計エンジニア(タイトルはどうであれ人事権を行使できる立場にないという意味で)です。部下を持つ必要はないと書いたことがあります。部下を持たなくても昇進、昇給、昇格していくわけです。それに伴い各社色々なタイトルを用意するわけですが、例えば良く知られたところでは
Senior Engineer, Principal Engineer, Distinguished Engineer, Fellow…
Distinguished Engineer 以上のタイトルになれば通常一角以上の実力者、経験者ということになるでしょうか。 ベンチャー企業ではこうしたタイトルを持たず皆MTS、 Member of Technical Staff としているところもあります。私が今いる会社はこんなタイトルを持たず公式にはエンジニアはレベルで(1から8,9程度まであり大きくなるほどペイが大きい)、名刺上のタイトルは仕事の役割でつけてますよ。私は Lead DSP hardware architect と今はなってます。 仕事が変われば変更すると思います。
さて収入ですが以前も書きましたが
年棒にあたる現金収入 + ボーナスにあたる現金収入 + RSU (株式)で構成されます。 その他雑収入も有るんですがこれらと比較すると微々たるものです(でも今の円安状況下では雑収入でも日本円換算で100万円程度になりますよ)。
RSUの占める割合が大きいです。JOBレベルが上がれば上がるほどその比率、額も大きくなります。私のレベル程度で50%位です。VPクラスになると80~90%はRSUだと聞いたことがあります。
RSUは通常毎年一度の昇給、昇格評価の際にここのパフォーマンスと会社の業績により与えられます。通常4年程度の分割になりますので例えばある年4000シェア(株式)をGrantされたとするなら4年かけてVest(実際に自分のものとなる)されます。年1000株ですね。毎年順調にRSUをGrantされるとするなら4年目以降は4000株が毎年自分のものとなるわけです。 1年を4期に分けるのが通常のやり方なので3か月ことに1000株ですね。これを売れば現金になります。 税金対策に一年以上所有して売るか、株式がピークだからする売るか? もっとも4000株入ると言っても無条件に税金として大体30%は強制的に売らされて税の支払いをしてしまいます。その後自己の責任で株式を売ればその時点でも利益に基づく税を払うのですが。まあ、でもとりあえずこれは大きな収入なのです。 一株100㌦として税引き後2500株だとすると、25万ドルです。収入は税引き前で言いますから40万ドルですね。これと現金収入を入れてそうですね、70万ドル程度にはなりうる。もっともエンジニアでも1ミリオン越えはありますよ。そんなことがありうるのがシリコンバレー(この地だけではないんですがね、シアトルでもオースチンでもありうる話ですから)。
今は株式が下がっているので売るのを見合わせますね、もしいずれ上がるだろうと予想できれば。その責任は自分にあるのでよく考える必要があります。
さて、下がっているのは悪いことか? RSUのタイミングにもよりますね。人事考課のレビューの頃低い値段だとするなら通常多くのRSUがもらえます。それがその後の4年で大きくなることだってあるわけです。
はるか以前、Appleが倒産寸前の頃、JOBオファーを受けたことがあります。倒産寸前という噂もあったので移らなかったのですがあの時のオファーを受けて今もその株式を仮に持っていたとするなら今大体50ミリオンドルの価値になってます。まあ、過去を言っても仕方ないんですが。
シリコンバレーは、本当の意味でのパワーカップルも多いです。日本では夫婦で1500万円も収入があればパワーカップルだそうですがシリコンバレーでは1ミリオンドルは無いとパワーカップルとは言わないでしょう。1500万は私一人の収入の半分にもなりません。RSUの効果はそれくらい大きいのです。
エンジニアはRSUを多く手に入れることができる職種です。
私はいつもエンジニアを募集しています。 エンジニアに国境もライセンスも不要。 知識、経験そして想像力。 それと少しの勇気だけ。
何度も書いてますがシリコンバレー90%はごく普通のエンジニアの集まりです。 超エリートなんて5%にもなりません。 日本人はとても誤解しているし、誤解が元でちょっとシリコンバレーで働いた程度の人物を持ち上げすぎることが多いように思います。彼ら、彼女ら、大抵ごく普通の実力しかない、と思っていて間違いはありません。 つまりごく普通の経験、知識でも十分仕事はできます。仕事はあります。