以前収入についてあれこれ書きました。以前のBLOGを見ていただくとエンジニアの収入がどのように決まるか、収入を上げるという目的(だけ)のためにはどうすると良いのか、などあれこれ書いています。ざっと読んでも30分で全部のBLOGを読めるはず、探してみるより全部読んでくださいね(そうするとアクセス数増えますからね)。
さて、昨日家人がユーチューブを見ていました。日本でアクセス数の多い人のビデオ(日本人)。 話題は収入。 シリコンバレーでは大学卒のエンジニアの初任給平均、6万ドル、かたや日本2万5千ドル だとか、そればっかり強調しているようなビデオでありました。
こういうのを狭いところだけ見せてあおって見せる、まあそうすることでアクセスが増える、インフルエンサーと呼ばれる人はこういったことをやるわけですが、
あまい! 大体この御仁、シリコンバレーに住んだことも、エンジニアとして働いたこともない。 大学教授とそっくりですな。
6万ドルときいて、 へえ、良いな となるか? ですよ。
ー残業手当などいわゆる手当はでませんよ。交通費もでない、住宅手当もでない、 しかもワーカホリックだと書いたことがありますがこの歳になっても週60から70時間労働はしています。 40時間で給与(年棒)は計算されていますよ。
ー税率はとても高いです。カリフォルニアは州税も高め。テキサスは州税は無いですが、家を持つと固定資産税を払いますがその率がとても高い。カリフォルニアは税金評価額の大体1.1%。評価額は不動産取引のあった時点での購入価格前後に通常設定されるのですが今や2ミリオン$では買えない当地。仮に2ミリオンだとすると個性資産税だけで2万ドル必要。アパートを借りるといっても家賃は2000㌦(月)ではもうあまり選択はありません。3人で3ベッドのアパート(5000㌦くらいします)を借りるというのは普通です。それでも1500㌦以上かかりますね。私がボストンから移って来た90年代始め900㌦(それでも900㌦した)1ベッドルームのアパート、中をきれいに改装したそうですが今の家賃は2500㌦以上。25年強で3倍近く値上がりしたんですね。家賃補助はでませんよ。
ー若いとあまり関係ないかもしれないですが医療関連。 アメリカの医療保険は複雑でかつ会社毎に違います。今私はとても良い保険をもっています。家庭の事情で医療費がかかりますが以前の会社ではある治療をカバーできず個人でも医療保険に入りました。そんなこんなで医療保険と自己負担だけで10000㌦以上になるのはごく普通です。 良い医療保険を求めて転職することも普通にあるくらいです。医療保険で歯の治療などはできないので別に保険が必要になります。とにかく医療関連、若い時を除くと巨額な出費になることがあり医療だけで破産することもごく普通です。
ー生活費。 マクドナルドでセットメニューを買っても8㌦程度します。吉野家のような店は基本ありません。食費は東京など含め日本が圧倒的に安上がりにすみます。 日本は物価が安いです。デフレが続いているからですが人件費が低いからというのもあります。
と、まだまだ続くのですが 6万ドルだから 良いな となるか?
私は6万ドル程度ならシリコンバレーでは生活できないと思います。とてもきつい。 テキサスのオースチンでも既にきつくなっていると聞きます。
つまり、給与などはその背景まで含めて考えることです。
でも、 以前も書きましたが収入はこの給与だけではないのも確かです。私は収入の半分以上はいわゆる給与ではないところから来ています(会社からもらう分)給与は税金と生活費、その他の収入は将来への投資原資。全収入となると、投資が原資の収入などもありますしね。友人、知人で投資をしていない人を知りません。皆なんらかの投資をしている。
それらこれらを入れると経験10年もあれば2000万円以上ということになるのでしょうか。夫婦で5000万円以上といういわゆるパワーカップルも多いのです。
6万ドルがどうなるかシミュレーションすると、
ー401K セービング(リタイヤメントのため) 3000㌦ (上限は16500㌦ですが、ここでは3000㌦としておく)
ー税金関連全部、ソーシャルセキュリティーなども含める 15000㌦程度 もっと低いかもしれませんが10000㌦以下ではない。
ーアパートの家賃 年20000㌦(そんなに良いところではないか、かなり遠いところになります、これくらいの予算だと)24000㌦ていどはかかるとみておく方が良いのです。
ー通信費、電気代(ガスと水は大抵家賃に含まれます) 2500㌦程度
ー医療保険等の自己負担がく 2000㌦程度(独身)
以上を引くと残りは17500㌦ですね。月当たり1500㌦程度。車があればガソリン代、車の保険などがあるのでこれから大体300㌦は引くことになり1200㌦、つまり一日あたり40㌦ですね。これで食事、衣服などをまかなうのです。ケーブルテレビなどをもっていると月当たり100㌦はかかるかな(私はもっていません)。
とこんなものです。 だから6万ドルだから すごい とはならないのです。もしこれが他州、やちんなどの低い州だと随分良いのですがそうすると給与も低くなります。地域差で同じ会社でも給与には差がでます。
シリコンバレーでは年収15万ドルは必要だと言われることがありますがその通りなのですね。 家賃などは夫婦でもおなじですが子供がいると養育費はとても高いです。