シリコンバレー やさしさ

優しい と 親切は必ずしも同じでないなんて書きましたが 最近は優しいと弱い(か弱い?)を同一視しているようなケースも見られますね。そう、同情も含め。 優しくあるためには強くある必要があるんです。 簡単な例で言うなら、私が合衆国にやってきた80年代末ごろ、合衆国はとても巨大な国家でいわゆる向かうところ敵なし状態でした。まあ、ジャパンミラクルなどと言われ日本の追い上げはありましたが国力的にはやはり遥かに合衆国は大きかった。 あの頃と今を比べると、随分違う。相対的に国力が衰えているからなのですが(あくまでも相対的に比べて)。

一緒に同情しあうことが優しいとは限りません。寒さを一緒に分かち合うのも結構ですが、食べ物や火を探して持ってきてくれる優しさの方がわたしは良いなと思います。雨降りしきるなか食べるものを探しに行くには強さが必要です。一緒に”寒いね”と言うのはよほど簡単です。

で、このBLOGはそんな優しさを言っているのではなく 易しさ、こちらの意味でです。

易しいことをずっとしていると実力になりません。会社人ならそれは

同じ(ような)ことを ずっと していること

です。 慣れてしまうと物事は易しくなります。 でも進歩もしなくなる。

会社を変わる と言うのは 易しいことではありません。 

面倒: 求人を探し、履歴書を書いて応募し、面接などを経る必要がある。

不安: 心地よいところから離れるわけです。社内経験からくる安心感も無くなります。一から自己を再証明する必要があるのです。

だから人によっては、ここシリコンバレーでも20年も30年も同じ会社で似たような仕事を続ける人もいます。 中には非常に実力があるひとでも 心地よいし面倒だからと言った理由でずっと同じ会社にいることもあります。 それが良い、悪いということは無いです。その人の選択です。

ですが、残念ながら深みはあまり無いように思います。エンジニアリングの話をしていても同じようなことをずっとしているのでその狭い経験からくるアイデアしか出てこない。 もうこうなると転職はとても難しくなります。そのまま引退するであろう年齢までその会社にいることができれば良いですがそんな保証はどこの世界にもありません。

変化することが 易しい うちに 変化する経験を積んでおく。これ、私はこれからの時代大事だと思います。