以前面接について書いたときTeslaのElon Muskさん (創業者でCEO)が行う面接について書きました。彼はその人物が実際の当事者(経験者)か、その周辺をウロウロしていただけなのかを見抜くことができるんだとか。。。
はるか以前、私がまだ学生時代(ですから40年も前)に出会った本に”ライトついてますか?(日本語訳のタイトル)”があります。長い経験の後、技術コンサルタントをされた人の著ですがその中に ”自動車のナンバープレート問題”がありました。USAはアルファベットと数字でナンバープレートを構成するのですが、課題は”人が不快に思うスペル、文字列にならないように構成する、そんなソフトウエアを作る”というものです。 著の中で、”なんで、こんな簡単な問題をだすんだ?”と文句を言った人がいるそうです。その人曰く、”そんなの、ふかいに思うスペル、文字列のライブラリー(リスト)を作ってそれとコンピュータが出したでたらめな文字列を比較して一致したら再実行させるだけでできる、簡単すぎる問題だ。。。”。
さてどうですか? 簡単すぎる?
あまりYOUTUBEを見ませんが時々家族が見ているVideoを見ていると ”XXXだそうです”と良く聞きます。 本で読んだこと、誰かに聞いたことを易しく(単純化して)話しているんでしょうが若い男性が子育てについて(どうも結婚もしていなさそう)解説していたり。。。、30秒に一度くらい”だそうです”と、ああ、本で読んだんだな、人から聞いたんだなと。 経験はほぼゼロだとすぐわかります。
やらないで何か言うのは実はとても簡単なのです。絶対にやると言わない、アドバイスするだけ。 上手くすればそれでお金にもなる。。。
知っているかどうか、ノーベル経済学賞、ノーベル賞と称していますがノーベルさんとは全く関係がない。論文を沢山書いた学者のためのものですが、それらで提唱された経済政策で成功したものは、ほとんど皆無なのです。これもおかしな話で、しかも投資、ビジネスで成功している人はほとんど誰もそれら教授の提唱する投資モデルを使ってもいない。。。
先ほどのナンバープレート問題、難しいのは
ーまず、どうやってそのリストを作るかです。 例えば、USA,色々なエスニックがいます。ある種のエスニックには意味無くとも別のエスニックからするととても悪い文字列かもしれない。 いったいどうやってそのリスト作るんですか? それがどこかにもうあるという仮定をするなら、ノーベル経済学賞と同じような。。。ですね。仮定が現実と乖離している。。。
また実用の面からみると
ーあの当時おそらく70年代前半、コンピュータはもっと遅かったし、使用料も高かったはず。例えばリストが10万件になったとすると一つの文字列を比較するだけで膨大な時間つまり金額がかかったでしょう。となるとそんなリストが例え有ったとして、あの当時実用できますか? 今でも難しいかもしれない。
まだいくつも理由を上げることができますが、”簡単だ”と言った人は理屈では”こうやればできる”と思ったのでしょうが理屈だけというわけです。”こうやればできる”と言う人に、”じゃあお願いします”と言うと、 ”いやあ、私はアドバイザー(コンサルタント)だから”とおっしゃる方にこれまで沢山会っています。おしゃべりだけ。。。
さて、経験者の面接ではこうした実務にかかることは必ず聞かれます。単にソフトウエアを書ける、というのなら、学生でもできるのですよ。
私の専門ではハードなのですが、学生実験のようなハードを売りに来たベンチャー企業もあります。学生と大学教授が興した会社ですが当時の私の部下は5分でそのハードウエアを稼働不能にしてしまいました。 学生実験で3分ほど動けばそれで優をもらえても実際の製品では不可なのですね。 ここが経験(実務)の有るなしの違いです。