ここは働くためにいるような地域だと書きましたがカリフォルニア、今や夏の風物詩となったかのような山火事を除くと気候はとても良いです。26年前東海岸から移ってきて最初に思ったのはカリフォルニアの青い空と気候でした。今と比べると良かったですよ(もっと)。気候は良い、観光地(SF)あり、大学町ありで若い人(いや若くなくても)を今でも引き付ける地域です。
でもこの20年で住みにくくなったと思います。 どこが? 家賃です。私はずっと以前から住んでいるので家を持っていますが家賃の高騰ぶりには驚きます。一軒家を私が住む地域(リンゴのマークで知られた会社の本社地区まで徒歩圏)では月5000ドル(つまり日本円で55万円)で借りるのはもう難しいのです。全く普通のしかもかなり古い家です。しかも狭い。もっと郊外、通勤時間一時間以上のところでも4000ドルで借りるのはもう難しい。若い人は3部屋程度あるコンド(日本でいるマンション)を共同で借りていることが多いですがひとたび家族ができるとそれは難しくなります。
さて単純計算をすると収入の4割程度は税金その他(医療保険など)で自分の元には残りません。老後のために2万ドルを税引き前セービングするとします。自分の給与(額面)が20万ドルとして18万ドルが税金の対象になります。40%は7万2千ドル。てもとに残るのは10万ドル程度。さて家賃が5000㌦とすると家賃がその半分持っていきます。 つまり実質5万ドル程度が手元に残る。これを多いとみるか、少ないとみるかなのですが家族が居れば月4千ドル程度ではギリギリな生活になります、残念ながらシリコンバレーは生活費も高い。ガソリンを例にするならカリフォルニアは1ガロンあたり3.5㌦前後ですがテキサスに行くと2㌦を’切ります。半額程度なのです。
20万ドルの稼ぎは多いほうに入ります。収入が少なければ税金の%は下がりますが家賃が下がるわけではありません。若い人が共同で住むのはその理由があるからです。
なんどもこのBLOGで書いていますが働くにあたって収入、将来のキャリアは切ってもきれない関係があります。楽しそうな会社、とくにそれがベンチャー企業である場合、収入面等ではやはり不利になります。そのことをよく考えたうえで検討しないとこれから先ハイテクエンジニアといえども食えなくして働けない。
そんな状況ですからシリコンバレーの大きな企業が他の地にもオフィスをどんどん増やしています。テキサス州、コロラド州、アイダホ州、ノースカロライナ州などなど。共通するのは、生活費がカリフォルニアと比較して低いがエンジニアのリソース(大学など)があること。
シリコンバレーに限らなければもっとチャンスはあるということですね。