以前スタートアップを企業した、私も長く(19年と6か月)働いた方の興した新しい会社が再び買収されました。以前の会社は15年ほどかかりましたが今回はわずか5年。以前は製品、技術、エンジニアとそして顧客の4点セットな買収でしたが今回はどうやらエンジニアを吸収したかったようです。製品はまだ出荷前ですから。エンジニアを吸収するための買収なので間接部門はすべて買収に伴い仕事を失うようです。こんな場合買収先がどんな社内ポリシーを持っているかがカギになります。大きな会社の場合相応のパッケージを用意して辞めさせられる従業員に報いることもありますが1,2か月程度のパッケージで解雇されることも多く大変なこともあります。就業はあくまでも契約です。これまで沢山の会社で働きましたがどの会社の契約(サインする書類)にはお互い、いつ何時、理由のあるなしに関わらず退社、解雇できるという一文があります。従業員は理由を述べることなくいつでも退社でき、会社側も理由のあるなしに関わらず解雇できるとあるのです。
さてこの買収する側の会社、非常に条件の良いパッケージがあるようで仕事を失う人はほぼ1年分の給与等を、次の会社が見つかるかどうかの有無に関係なく支払うそうでしかも6か月間は医療保険もカバーする、再就職のあっせんサービスの契約も受けることができるとかで運が良かったと思います。このような条件のよいパッケージを用意している会社は少数派になりますから。
会社選びですがこういったその企業の従業員に対するベネフィットを良く知っておくと役立ちます。ベネフィットの詳細は企業秘密になるのでWEB上などに詳しく出ることは極まれです。噂だけが聞こえてきたりするのですが噂は噂。当たっているようで当たっていない。しかも噂で聞こえてくるのは医療保険のことが多い。医療保険はとにかく複雑でおおざっぱに言えばすべての会社で異なります。保険がどれだけ良いかで転職を考える人もいるくらい違いがあるのです。若いとあまり関係ないですが家族を持つとがぜん重要になります。
だが、上に挙げた買収に伴う事項などはほとんど情報がありません。
では、重要でないのか? あなたがスタートアップ企業に働いている、働こうとしているとします。そんな会社の一番のゴールはいずれ買収される。IPOはごく少数。小さな企業のままで存続する会社もありますよ。以前書きましたがスタートアップに就職するならマネージメントの考えている会社の将来像、特に創業者(ファウンダー)と投資家(ベンチャーキャピタル)がどんなExit Planを持っているか、詳しく知っておくのはとても重要です。そしてそのPlanが”買収されること”であるならその会社の技術、製品はどんな企業が買収しそうかまで十分検討しておくと良いのです。きっと5社くらい出てくるでしょう。それら5社については調べておく。
なにもそこまでしなくても。。。と若いうちは思うかもしれませんが働くことは人生でとても重要。自分が働いた代償があなたの人生をつくります。会社じゃあなく、あなたが自身の働きが、です。ですからどんな会社でどんな仕事をするにしても目先だけでなく周辺も含めて良く調べ、プランをつくる、これ、人生計画の一環としてとても重要です。
たまたま入った会社が大成功することもありますが、運だけに任せるのはまるで宝くじを当てるようなもの。宝くじで資産家になった人がいないように運だけに任せた人生で上手くいく人は限りなく少数。
会社選びは人生で重要。
会社選びのコツは人をみる目を鍛えることです。まあ、これは人生で一番重要なことですが。