シリコンバレー ベンチャー企業 オファー

面接が順調に進みオファー(採用通知)をもらったとしましょう。

オファーはよく検討する必要があります、とくにあなたがそのベンチャー企業で自身の財政的基礎を確立しようとしている場合。今回はこの点について少し書いてみます。

ーまずベースとなる現金収入(サラリー)は大会社と比較すると劣ります。会社にとって現金は重要ですからね。

ー医療保険なども見劣りすることがあります。USの医療保険制度はとても複雑です。会社毎、年度ごとに変わります。同じ医療を同じ医師、病院で受けても会社毎にあなたの負担額はことなります。全く同じでも。私は少し複雑な家庭を抱えますが以前の会社と今の会社では今の会社での年間医療関連の出費でも10000ドル程度今は軽くなっています。医療費はとても高額ですが実費負担はその会社の保険プラン詳細を見るまでわかりません。

ーその他のベネフィットも少ないか無いかもしれない。例えば401K といって税引き前のいわゆる積み立てができる制度がありますが小さい会社ではそれを持っていないこともある。あっても会社が上乗せをしてくれることはまれです。今いる会社は年間大体10000ドルを会社が上乗せしてくれる、つまり年間10000ドル引退後の積み立てを会社がしてくれるわけです。ベースサラリーとは別です。

等々。すべて現金が関わる項目です。スタートアップでは現金は重要なのです。

じゃあ、何がある? ISO,つまりストックオプションです。オプションとあるのは行使するかどうかはあなた次第。

ーストックオプションはFREEではありません。あなたか投資するわけです。つまり非上場株を購入する。ですから会社が倒産したら投資金額は失う。

ーオプション価格(一株の単価)は入社時に決まる。創業早々が一番低く年を取るごとに高くなります。例えば1年目に入った人には10セントでも5年後の人には3ドルだったりします。この価格はとても重要です。例えば会社が買収されたとします。買収金額をその時の発行済み株式数で割ると一株の価格になりますが、その価格、2ドルになったとすると、3ドルだして2ドル受け取るようなことはしませんから利益はゼロですが、10セントの人には一株当たり1ドル90セントの利益ですね。

ーISO100000株とかオファーに書いてあります。多いと思いますか?ISOは必ず%で評価します。絶対数ではありません。もしこの時既に100ミリオンもの株式を発行済みだったらほとんどこれは価値がありません。でもわずか1ミリオンなら10%もくれると言うのですから大きいですね。

ーしかも%は将来の資金繰りでかわります。資金を集めるために発行数を増やす必要がありますから資金を調達する事にあなたのシェア%はすくなくなります。当初10%もあって嬉しいと思っていたのが将来の資金繰りでIPOや買収時にはわずか0.1%程度になっているというのも十分にあります。ですから面接時に会社の資金と将来の資金確保のプランを知っておく必要があるのです。

ー最後にVesting Plan。ストックオプションは入社してすぐには行使できません。会社によっては最初の1年は0%で1年後25%、その後は半年ごとに12.5%ずつとかそういったスケジュールを設けています。通常4年働いて100%Vestingされます。

ー後は会社が定期的にISOをボーナスとして出しているのかも重要です。現金では中々ボーナスをくれないですがその代わりにISOを追加でくれるのですがそのスケジュールなども知っておくと良いです。

何度も書いてますがストックオプションでミリオネアというのはまれです。また良くわかっていないと同僚はミリオネアになったけど自分はちょっとだけだったか、全く利益がなかったという事態にもなります。

ベンチャーをターゲットにするのであればまずこの辺りの仕組みを十分に理解することはとても大切です。