シリコンバレー ベンチャー企業

スタートアップともいう。

まずこういった会社のほとんどは成功しません。3年から5年で消えていくのです。これが現状。

ドットコムバブルのころ、盛んにIPO(株式公開)のニュースを聞いた方も多いかもしれません。一夜にしてミリオネア、いやビリオネア。。。IPO今は遠い、遠い道のりです。日本でもSOFTの文字で始まる会社の経営者この言葉好きですね。でもね、実際は難しいのです。巨額の投資をしたら成功するというわけじゃないです。それは宝くじと同じ。巨額を投資して買ってもその投資を回収できるか?というとそんな保証はないのです。

しかもその技術、ビジネスモデルが”なんか、すごそう”でもです。自画自賛の”すごそう”はあまり意味がないですが誰が見ても”すごそう”でも、成功間違いない、というのはゴロゴロ落ちているわけではない。当たり前ですね。

ベンチャーのほとんどはIPOを目指していません。もちろん従業員にはそんなこと言いませんよ。低めの給与で雇いISO(ストックオプション)で償う、というのがパターンですからそのISOが価値を持つようにするのが経営者の仕事ですから。でもIPOでなくとも会社を高額で買収させることが出来ればそれでも良いわけです。不安定な会社から大きな会社の一員になることで職を安定させることにもつながりますからね。

買収は通常、製品と技術者が一番の目当てです。HR,セールス、マーケティングとある種のエグゼクティブ(とくにCFO)は買収の際に首を切られることがあります。ここはとてもドライでいわゆるパッケージをもらえる可能性は少ないです。ストックオプションを持っていれば良いですがセールスなどオプションをあまりもらっていないこともあり買収が気悲劇になることもあります。エンジニアはこのような場合一番安泰です。

買収は現金、現金と株の交換、株の交換だけ、のいくつもの方法があるのですが、従業員にとって最悪は現金。この場合税金が40%程度も持っていき且つ将来の利益の恩恵を受けません。現金と株式の両方を使うのは既にオプションがVest(つまり使えるようになっている)分は現金で、将来そのまま働けばVestされる分は将来なので株式の交換となることが多いです。

例えば私が居た会社は長い年月の末買収されました。現金と株式です。長い年月でしたからほとんどの従業員はISOをほとんどVestし終わっておりました。と言うことで大きな金額の現金が入ったのですがその年の税金申告で大きな金額の税金を見て驚愕。。。 私は少しまだVestされていない株式が残っていたのでそれはその時の交換レートで交換されました。さて大体10年後の今日。まだその交換された株式もっていますよ。その会社、今は当時の8倍の評価額になっているのです。つまりあの時、全部株式の交換だったら。。。となるわけですね。今頃はもう引退しています。

現金にした一つの理由は当時、すでに利益を上げている会社で社内にずいぶんと現金があったからです。買収した会社はそのお金はもう自分たちのお金ですね。どう使おうが自由なわけです。そのお金も使って。。。というわけです。あの時買収されないでその現金を投資家も含めてみなでわけでもかなりなおかねになりましたよ。内部にお金を持ちすぎて上場している株式の評価が低いと敵対買収の対象にもなりますがこれはいったん買収すれば現金も自分たちの良いように使えるのもあります。こんな場合そのお金を使って市場に出ている株式を回収するのが良いのですが昨今、経済が不安定だと内部留保したくなりますね。

というわけでつかの間のミリオネアで終わってしまいました。

華々しい話ばかり聞くと思いますが

ー会社は不安定です。特に利益を上げていない場合ひっきりなしに資金を調達しますがその度に自分たちのシェアの比率は下がる、つまりそれだけ将来利益は下がっていくことが多い。あまり頻繁に資金を調達するとエンジニアが離反していきます。

ー給与、ベネフィット(医療保険など)は低めです。家族がありひとりだけが仕事をしているような場合お金がかかるシリコンバレー、家族の事情で会社を変わらざるおえないことも多くなります。この場合ISOですからその行使をできますが先行投資(ただではないので)。もう自分が関わらない会社にどこまで投資するか、ヤキモキしますよ。特にVestされたシェアの購入金額がある程度高額な場合。倒産したら何も戻ってきません。

これがベンチャーです。

とまず現実を伝えて、じゃあ、どんな生活なのか、どんなものなのか、長くベンチャーに創立時からもいたので、次に書いていきましょう。

私は性格的にはベンチャー向き。今は家族のこともあり巨大企業に勤めていますがね。ここはベネフィットではシリコンバレーでもトップクラスなので不満はありませんよ。